Loop smile Clinical Seminar

足首を、「硬い・柔らかい」だけで見ていませんか? 距腿関節 SEMINAR

歩く。しゃがむ。階段を昇り降りする。走る。着地する。私たちが日常生活やスポーツで行うさまざまな動作に、足関節は関わっています。その中で、背屈・底屈を主に担う関節が「距腿関節」です。

なぜ距腿関節を学ぶことが重要なのでしょうか? それは、距腿関節を理解することが、足首だけではなく、人の「動き」を考える一つの重要な視点になるからです。

Why talocrural joint?

なぜ「距腿関節」なのか。

【ご注意】以降でご紹介する研究・エビデンスの内容は、距腿関節への理解を深めていただくために主催者(合同会社Loop smile)が独自にまとめた一般的な医学的背景です。セミナー当日の講義内容とは一致しない場合があります。実際の講義内容・構成は、講師である木村凌先生に完全にお任せしております。

背屈 底屈
距腿関節がつくる、背屈・底屈の可動域

距腿関節は、脛骨・腓骨と距骨によって構成され、主として背屈・底屈に関与します。しかし、人が実際に動くとき、距腿関節だけが単独で動いているわけではありません。

足部。足関節。膝関節。股関節。そして身体全体。複数の関節や組織が関わることで、一つの動作が成立しています。

だから、足関節の動きが変わったとき、変化するのは「足首だけ」とは限らない。実際に、足関節の可動性と下肢運動との関連は、さまざまな研究で検討されています。

Evidence 01

「膝」を見ているとき、足関節を見ていますか?

股関節 膝関節 足関節 アライメント良好 Knee Valgus
膝が内側に入る(Knee Valgus)と、足関節との関連が報告されています

スクワット。片脚動作。着地。そこで膝が内側へ入っている。そんな動作を見たとき、膝や股関節だけに注目していないでしょうか。

2018年、17研究を統合したシステマティックレビュー・メタ解析では、足関節背屈ROMの低下とDynamic Knee Valgus(動的膝外反)との関連が報告されています。

SMD −0.65
統合効果量
95% CI −0.88〜−0.41
信頼区間

ただし、ここで重要なのは、「背屈制限がDynamic Knee Valgusを引き起こす」と断定することではありません。この研究が示しているのは「関連」です。だからこそ、膝の動きを考えるときにも、足関節という視点を持つ。一つの関節だけではなく、下肢全体から動作を見る重要性が見えてきます。

Evidence 02

「着地」と足関節。

着地の衝撃 股関節 膝関節 足関節
着地の衝撃は、足関節だけでなく下肢全体に伝わります

ジャンプから着地する。このとき身体は、足関節・膝関節・股関節などを使いながら、身体運動をコントロールしています。

足関節背屈ROMと着地メカニクスについて検討したシステマティックレビューでは、背屈ROMが制限された場合、下肢の着地メカニクスが変化する可能性が報告されています。

一方で、「どの運動学的・運動力学的変数が、どのように変化するのか」については研究間で結果が一致していません。だから、「足首が硬い=この動きになる」ではありません。人によって異なる運動戦略を、足関節を含めて考える。その視点が重要になります。

Evidence 03

そして、人間の基本動作「歩行」。

push-off COM(身体重心)の加速
足関節の蹴り出し(push-off)が、重心の前方加速に寄与します

歩行における足関節も、単純に「背屈する」「底屈する」という関節角度だけでは捉えきれません。

歩行のstep-to-step transitionでは、足関節周囲の筋腱系から正の機械的パワーが生み出されます。これは一般的に、ankle push-offと呼ばれています。

歩行バイオメカニクスの研究では、このankle push-offが、遊脚の加速そして身体重心(Center of Mass:COM)の加速の双方に寄与することが示されています。

つまり、足関節は「何度動くか」だけを見るものではない。歩行という動作の中で、どのように機能しているのか。そこまで考えることで、足関節を見る視点は大きく変わります。

So what?

距腿関節を学ぶことは、「足首だけ」を学ぶことではない。

足関節
膝関節
股関節
体幹・全身

研究では、足関節背屈ROMとDynamic Knee Valgusとの関連。背屈ROM制限と着地メカニクス。歩行時の足関節周囲におけるmechanical power。さまざまな観点から、足関節と人の動きとの関係が検討されています。

もちろん、足関節だけで人間の動作すべてを説明することはできません。だからこそ重要なのは、「原因は足首だ」と決めつけることではありません。

人の動きを見るときに、「距腿関節」という視点を持っていること。足部だけではない。膝だけでもない。股関節だけでもない。身体全体の中で、距腿関節を考える。

そのためにも、まずは一つの関節について深く知ることが、人の動きを考えるための土台になります。

Question

あなたは、距腿関節をどこまで理解していますか?

「背屈・底屈をする関節」「足首が硬い」「背屈が出ない」それだけで終わっていないでしょうか。

歩行。スクワット。階段昇降。着地。私たちが当たり前に行っている動作の中に、足関節は存在しています。だからこそ、「距腿関節」を、改めて学ぶ。

今回、理学療法士 木村 凌先生をお招きし、「距腿関節」をテーマとしたセミナーを開催します。

Seminar information

距腿関節 SEMINAR

講師木村 凌先生(理学療法士)
開催日時2026年10月25日(日)
14:00〜18:00(4時間)
会場Share Office Hello!
宮城県仙台市宮城野区榴岡4-7-37-2階
定員15名
対象医療従事者・トレーナー
医療・スポーツ系学生 など
一般
早割¥12,0003,000円OFF
通常¥15,000
学生
早割¥6,5001,500円OFF
通常¥8,000

※定員に達し次第、受付を終了いたします。

Speaker

講師紹介

木村凌先生
木村 凌34歳 滋賀県出身 理学療法士
経歴

スポーツ整形外科 → 野球チームトレーナー → 訪問看護 → 独立開業

病院勤務を通して、医療の枠だけでは救えない人がいることを痛感。「病院でできないことに挑戦するため」に独立開業。その結果、クチコミと紹介のみで9:00〜深夜2:00まで満席のサロンを実現。さらに"在り方"をベースにした経営を軸に、開業4年で5店舗展開。

整体院開業を機に美容と健康の繋がりに着目し、現在はエステ、整体院、サウナ、ピラティススタジオを経営。教育事業では、これまでの臨床経験や解剖学、身体の知識を生かし、国内外でセラピスト向けの教育活動を行っている。

現在は「THE ROOTS®︎」「THE ROOTS SKIN LABO+」「THE ROOTS Pilates」「THE 99°F」を滋賀県内で展開。「理学療法士が活躍できる世界をつくる」という理念のもと、医療の枠を超えたセラピストの可能性を広げる活動を続けている。

Last message

一つの関節を深く知ることから、人の動きを考える。

距腿関節は、身体を構成する数多くの関節の一つです。しかし、歩行やスクワット、着地をはじめ、さまざまな動作との関係が研究されています。

「足首が硬い」その一言だけで終わらせないために。距腿関節を、改めて学ぶ。

距腿関節 SEMINAR

References

参考文献

01 | 足関節背屈ROM × Dynamic Knee Valgus
Lima YL, Ferreira VMLM, Lima POP, Bezerra MA, de Oliveira RR, Almeida GPL.
The association of ankle dorsiflexion and dynamic knee valgus: A systematic review and meta-analysis.
Physical Therapy in Sport. 2018;29:61–69.
DOI: 10.1016/j.ptsp.2017.07.003
17研究を対象としたシステマティックレビュー・メタ解析。足関節背屈ROM低下とDynamic Knee Valgusとの有意な関連を報告。
※因果関係を証明する研究ではない。
02 | 足関節背屈ROM × 着地
Mason-Mackay AR, Whatman C, Reid D.
The effect of reduced ankle dorsiflexion on lower extremity mechanics during landing: A systematic review.
Journal of Science and Medicine in Sport. 2017;20(5):451–458.
DOI: 10.1016/j.jsams.2015.06.006
6研究を対象としたシステマティックレビュー。背屈ROM制限によって着地メカニクスが変化する可能性が示された一方、影響を受ける具体的な力学変数については研究間で不一致がある。
03 | 足関節 × 歩行
Zelik KE, Adamczyk PG.
A unified perspective on ankle push-off in human walking.
Journal of Experimental Biology. 2016;219(23):3676–3683.
DOI: 10.1242/jeb.140376
歩行時のankle push-offについて整理したバイオメカニクス論文。step-to-step transitionで足関節周囲の筋腱系が正のパワーを発揮し、そのpush-offが遊脚の加速と身体重心(COM)の加速の双方に寄与することを示している。
※本LPに記載した研究は、セミナー当日の講義内容を示すものではありません。距腿関節を学ぶ意義・背景を説明するための医学的・生体力学的根拠として掲載しています。セミナーの具体的な講義内容については、講師による内容に準じます。
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